【専門医向け】瘢痕化の高度な巨大ヘルニア

長期間未治療の非還納ヘルニアです。 覚悟を決めて臨みましたが幸い、全身麻酔がかかったのち、体表からの圧迫で粗方戻せました。しかし、外側は癒着が目立ち、この剥離から始めています。

このように瘢痕化著しい症例は超音波メスがやはり楽です。御覧の通り、ヘルニア門全周の厚い瘢痕をくり抜いたのちは定型手技に持ち込めています。 スパチュラだけで攻めるのも美学であり、解剖がわかっているなら何のことはないのでしょうが。

今回の工夫は、剥離の際に縦に割けてしまった腹膜を剥離前に連続縫合で修復していることです。腹膜が複雑な形で剥離が完了してしまうと却って縫合が困難になるからです。こういう難症例こそ仕上がりをイメージしながら操作を進めるといいと思います。

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