プログリップメッシュ使用に伴うポート創最小化の試み
本プロジェクトの歩みの概説
類縁の研究をされているかたに留意いただきたいことも文末に付けてあります
医療法人社団博施会(東京外科クリニックの運営法人。以下、当社とする)
東京外科クリニックを以下当院とする
プロジェクトの歩み
2014年頃 プログリップメッシュの腹腔鏡手術運用が普及し始める。
能書的には10mmポートの使用が必須とされた。メッシュの性能に魅力がある一方で大きな創が必要であるため、創を小さくすることが悲願であり、諸家がさまざまな工夫を学会・研究会などで紹介している。論文を投稿した2020年4月時点で、正式に査読をえた学術論文は当社調べの範囲では確認されなかった。
特許については、類似の出願、既特許がないかの調査は当社知財部ならびに所轄官庁が調査しており、当社の出願が先行であることが確認されている。
2015年11月 腹部に5mmポート創以上の皮膚切開を置かないことを原則として手術経験の蓄積を開始
2016年6月 ステンレス製硬性管を用いたデリバリーシステムを考案
5mmアクセスポートのリプレースとして創拡大しないことに成功
その後、種々の素材で知見を蓄積する。
(ビニルシート、排液チューブの流用)
2017年4月 「腹腔内挿入部材及びその収容体」として特許出願受理、審査開始
2017年6月 日本ヘルニア学会で当院のテクノロジーを紹介(コビディエンジャパン㈱によるスポンサードセミナー)
2018年1月 本デリバリーシステムの方法論について医学系雑誌に投稿
2019年5月 当院の意向と編集室の協議に折り合いがつかないため取り下げ
2019年6月 本プロジェクトとその学術論文化を松下公治医師が継承
2020年2月 特許審査完了 特許第6471874号をもって特許証が発行された
2020年4月 共著者7名の自署による誓約を経て日本外科系連合会誌に以下タイトルの投稿「5mmのポート創で行うプログリップメッシュを用いたTAPP法」
2020年4月 アクセプト
2020年7月 論文上梓
プログリップメッシュの挿入については少しでも小さい創からの挿入が整容性と疼痛軽減のため望まれてきました。諸家が様々な工夫をしていることは伝聞レベルでは確認されていたが、正式な査読を経た論文の著者は当社の指示を受けた松下公治医師以下7名です。
諸家の活動には敬意を表し、ときに「先を越された」というお考えをもつかたも理解はいたします。
しかしながら、本件を盗作あるいは道義に反するなどと声をあげたいお気持ちは胸の内のみに留めおかれますよう要請いたします。そもそも当院のKPIは医学の進歩であり、売名を目的とすることではありませんし、今回明らかにされた権利関係もその手段にすぎません。
これらは「だれが最初か」というのは着想順ではなく、特許が出願された順、論文がアクセプトされた順が絶対ですが、このことにより、諸家の診療業務が妨げられたり名誉が棄損されるものでもありません。
当社ならびに当院とその構成員に関して、具体的な誹謗中傷や流言飛語が確認された際は、その源を必ずつきとめ、しかるべき法的行動をとらせていただくことになることを申し添えさせていただきます。
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当院代表電話ならびに著者への連絡は業務の妨げになりますのでご遠慮ください。
医学という公共性の高い学問を志す各位の良識を信じます。
医療法人社団博施会 理事長 大橋 直樹